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【インタビュー】にほんごボランティアグループ・オルビス~日本語支援に加えて新しいチャレンジを

 「にほんごボランティアグループ・オルビス」は日本語を母語としない方たちを対象に、水戸市で日本語教室を開催しているボランティアグループです。
ただ日本語学習するだけでなく、様々なイベントを通しての日本人と外国人の交流にも力を入れ、人と人のつながりを大事にされています。

1995年に2名でスタート。現在11名で活動しています

 1995年に茨城大学の留学生を支えるためのバザーの会をきっかけに、当初2名で日本語支援を始めました。98年に水戸市国際交流センターが開館してからは、水戸市周辺に在住する外国人市民を対象に日本語支援をしています。2022年現在、オルビスメンバー(以下「メンバー」)として11名で活動しています。団体名の「オルビス」はラテン語で、「地球」、「丸い」などの意味があります。

日本語支援に加えて、日本人と外国人の交流の場づくりも。活動は多岐にわたります

 毎週火曜日の10時から11時30分まで水戸市国際交流センターで日本語教室を運営しています。レベル別、またはやりたいこと別に、グループに分かれます。1グループの外国人参加者は1〜3名ぐらいです。文字学習支援(ひらがな、カタカナ、漢字)、会話、文法学習支援に加えて、日常生活で困っていることの相談を受けることもあり、活動は多岐にわたります。日本語教室は3学期制になっていて、(8月は日本語教室はお休みです)学期に一度はレクリエーション活動をしています。近所の常陽史料館へお散歩に行ったり、筆ペン習字や折り紙などをしたり、一つのことを全員で楽しんでいます。

レクリエーション:お散歩
折り紙体験
日本語教室

毎回、日本語教室が終わると参加したメンバーでミーティングを行い、当日の活動内容の報告、次回の担当や活動内容の相談、細かな連絡事項などの確認をしています。

多読教室

2020年から、日本語教室がお休みになる8月の火曜日に「多読教室(日本語の本をたくさん読んで、楽しみながら言葉を覚えるクラス)」(10時から11時30分)を行っています。

 また、2022年3月からは、月1回、「外国人ママパパ交流会」も始めました。外国人ママパパと、日本人や水戸に長く暮らす外国人ママパパとで、子どものこと、学校のこと、日常生活のことなどを話しながら交流する会です。日本語教室ではないため、私たちも毎回、手探り状態で、やっとスタイルが決まってきたところです。まだまだ改良したい点も多いのですが、この交流会をきっかけにメンバーになり、火曜日の日本語教室で一緒に活動を始めてくれた方もいます。いろいろな形での交流が人材を広げています。うれしい効果です。
広報活動としては、HP、facebook、オルビスLINEを始めて、情報を発信しています。

外国人ママパパ交流会

コロナ下でも、人と人とのつながりを嬉しく思う出来事もありました

 日本語教室は、コロナ前と同じペースで週1回火曜日に開催しています。
ただ、以前は、10時から12時までの2時間の活動の間にティータイムがあり、全員でお菓子を食べながらグループの枠を超えて談笑したり、新しい外国人参加者の方が来たら自己紹介をしてもらったりして、お互いに繋がりができるような場を作っていました。
また年末には「持ち寄り忘年会」もしていました。外国人参加者の方たちが作ったお国の料理は、どれもとてもおいしかったです。みんなで歌を歌ったり、ダンスをしたり、外国人参加者の皆さんもとても楽しみにしてくれていました。残念ながらコロナ感染予防のため、今は、どちらもお休みしています。早く再開できるといいなと思います。

コロナの感染が拡大した初期のころは、センターも閉館していました。そこで、オンライン(Zoom)で「多読教室」を開催することにしました。今まで来ていた外国人参加者の方に連絡したところ、半分近くの方が参加してくれました。なかには、以前教室に通っていた方のうち、台湾から、横浜から、と参加してくださった方もいて、人と人とのつながりは貴重だと、あらためて嬉しく思いました。

 メンバーが気持ちよく活動できるよう心がけています

 ボランティアの人材不足は、どこの団体でも悩みのタネです。いかに持続可能な活動にしていくのかが、問題になっています。オルビスでも深刻な問題です。人材が不足すれば活動にも影響します。今は外国人の方も多様になり、それぞれに望むことが違います。メンバーが増えれば、彼らの希望に添うこともできます。多様な人材は活動を活発にします。特に、若い方も気軽に活動できるようにしていきたいです。メンバーの皆さんは、それぞれ想いがありボランティア活動をしています。メンバーに気持ちよくオルビスでのボランティア活動をしてもらえるようにと心がけています。今までがんばってきてくれたメンバーも、これからのメンバーも大切にしていきたいです。また、任意の団体ですので活動資金などはどこからも支援がありません。チャレンジしたい活動もありますが、資金面で難しいこともあります。

共に過ごす仲間として、外国人と何か一緒に楽しくできることがないかと、模索中です

 「多読教室」「外国人ママパパ交流会」「お散歩を中心としたレクリエーション活動」は、長年考えてきたことが実現した活動です。これから、どんどんよくしていきたいと思っています。特に、レクリエーション活動は、もっと色々なことにチャレンジしてみたいです。たとえばボードゲームなどは、日本語のレベルに関係なく楽しめるものもあります。このような活動をきっかけに「教える、教えられる」という構造を双方向のものに変えていきたいという想いがあります。少しの時間ですが、日常を忘れてしまうくらい楽しい時間を共有できたらいいと思っています。
 
 最近は、外国人参加者の方のライフステージに合わせた活動をしたいと考えています。私たちがこの活動を始めた頃は、外国人参加者の方は皆さん若く、いずれ自分の国へ帰る人が多かったです。でも今は、共に人生を過ごす仲間が多くなりつつあります。何か一緒に楽しくできることはないかなと模索中です。今は、他の団体などとの横のつながりもコロナでなかなか取りづらくなっています。県内の大学や日本語学校、日本語教室同士、異業種などで何かできることもありそうです。まずは、場を設けて相談することからスタートさせたいです。そしてまだまだ、私たちの活動についての周知が足りません。広く周知することで活動に参加者が増え、活発になることを目指しています。

地域社会に、様々な外国につながる人たちがいることを知っていただきたいです

 これから、日本社会はますます地域に暮らす外国人の方たちが増えていきます。外国人の方たちが日本語を使えるようになることは、日本での生活をよりよくする上でも大切なことですが、日本人側も「やさしい日本語」を身につけるなど、歩み寄る姿勢が必要だと思います。地域社会の中に、様々な外国につながる人たちがいることを知っていただきたいです。

日本語学習者に対する暖かい気持ちがインタビューからも伝わってきました。
また、日本語学習のみならず、多様化するニーズに沿った支援は、学習者にとって心強い存在となっていることと思います。

「オルビス」活動情報
 場所:水戸市国際交流センター
​ 日時:毎週火曜日 午前10:00 – 12:00
 ホームページ: https://yasanichico.wixsite.com/orbis
 Facebook: https://www.facebook.com/orbisnihongokyoushitsu/

ボランティアは随時募集中です!
ご興味のある方は、オルビスのホームページ、facebookを見ていただきたいです。ボランティア活動は相性も大切な条件です。私たちの活動を見て「いいね!」と思われたら、ホームページからお気軽にお問い合わせください。お待ちしております。

 

 

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