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【インタビュー】水戸内原国際交流ふれあいの会~モットーは「あなたが主役!」

水戸内原国際交流ふれあいの会は、30年以上の歴史がある国際交流ボランティア団体です。地域に暮らす外国人の方たちとメンバーが、楽しみながら交流を深めていく、多彩な事業を展開していらっしゃいます。
今回は、会長の高橋雅徳さんと事務局の池本和一さんにお話を伺いました。

地域に根ざした活動を始めて31年。
お互いに文化の違いを理解して楽しく交流することが目的です

高橋 私たちの団体の始まりは1992年1月26日。当時、旧内原町の中央公民館で英会話講座があったんです。英語が好きな方が10人ぐらい集まって話しているうちに、「最近、外国の方をたくさん見かけるけど、あんまり交流がないよね」という話題になって。「何か、困っていることないかなぁ」「冬になって寒いけど、暖房はどうしてるんだろうなぁ」と。

高橋雅徳 さん

初めは、海外から来た人のお手伝いというか、何かお世話ができればという気持ちで活動を始めました。会を設立してから、いろいろな事業を計画して、国際理解・国際交流を深められるような活動をしています。会の呼称は「MUICS(ムイックス)*」と言います。私たちのグループは、どちらかというと地域に根ざした草の根の活動・交流なので、「Face to Face」顔を合わせてお互いに文化の違いを理解するというスタイルです。
*Mito Uchihara International Communication Society

海外に行って、現地の方にお世話になったことは、今でも心に残っています

高橋 私は現役時代は設計エンジニアで、外国に行くことが結構ありました。そのたびに現地の方にお世話になっていたので、今は逆の立場になって、外国の方が日本に来たときに「困ったことはないかな?」「仲良くなれればいいなあ」という気持ちで参加しています。子どもがまだ小さかった頃には、バーベキューや盆踊りなどの行事に、家族みんなで参加していました。

池本 私も、約30年間、家電メーカーの海外営業マンでしたので、世界中に仕事仲間がいたんです。 海外に赴任していた間も出張の際も、現地の方たちには、本当に、大変お世話になってきました。 私にとって、日常生活に外国の方がいるというのは、ごく自然なこと。 今、現役を離れて、地元での多文化共生社会に少しでもお役に立てればということを、もちろん思っていますけれど、大上段に構えているわけではなくて(笑)、肩肘はらずに、一緒に活動を楽しんで、仲間としてのお付き合いができればと思っています。 外国の方を支援してあげるとか、そういう「上から目線」ではなくて「お友だちとして一緒に遊んでよ!」 という感じですね。

池本和一 さん

「きょうよう」と「きょういく」が大事です

高橋 「教養と教育は非常に大事だ」という言葉があります。この意味は、文字通りなら、その通りなんですが、現役を引退している私たちとしては「きょう、ようじがある」「きょう、いくところがある」と捉えているんです(笑)。 これが自分の興味や趣味、やりたいことと繋がっていればいいんじゃないかと。

池本 私たちの活動って、国際交流だけど生涯学習でもあるんです。リラックスした中、自然なライフスタイルが小さな力となって地域社会への貢献にもつながっていけば、それは自分が社会の一員として繋がりが持てているという自己肯定感にも繋がっていくんじゃないかなと、思っています。

MUICSのモットーは「みんなでやろうよ!」「あなたが主役!」

高橋 毎回テーマを変えた「英語サロン」を月1回開催しています。外国人の方のプレゼンテーションがあったり、英語で日本文化紹介があったり。英語が好きで上達したい方や、しばらく英語から離れていた方が集まって、ネイティブスピーカーの方とも和やかに会話をしながら進めています。地域の外国人の方との交流ランチ会や、近隣の観光地を一緒に散策する事業も年に数回実施しています。そのほかにも、講演会を開催したり、外国映画の鑑賞会をしたりしています。
昨秋は、3年ぶりに開催された「内原ふれあい祭り」にテントを出してバザーを行いました。ご家庭で眠っている外国のお土産を持ち寄って販売したのですが、結構たくさん集まりました。収益金は、海外支援をしている県内の団体や、大きな災害が起こったところへ寄付しています。これは、私たちの会の特徴のひとつです。

英語サロン
外国人の方との交流ランチ会
市内散策(笠間)
内原ふれあい祭り

それから、30周年を記念して昨年から始めたのは、会員による発表会。これは、会員の方が色々な得意技をみなさんの前で発表する、学校でいうと学芸会のようなイメージですね。

池本 何事も、とにかく好きで、楽しくて、面白くないと続かない。世代を超えて会員の誰もが自由に企画して参画して、会員みんなでもっと楽しく、もっと面白いMUICSを創り上げていこうという雰囲気がとても大切だと思っているんです。

高橋 発表会は非常に楽しかったですね。宣教師の方がクリスマスにちなんだ歌とお話を披露してくださったり、外国人の方たちのパフォーマンスがあったり、いろんな歌を歌ったりゲームをしたり。また来年もやりたいと、もう手を挙げてくれている方もいて。会員の発表会では、みなさんが輝いていて、「みんなが主役!」と、会を盛り上げていただいています。

一歩前へ。違う世界を見てみたい若い世代の方に、入会をおすすめしたいです

池本 私たちの団体の、もうひとつの特徴は、海外経験をもっている方が多いということなんです。海外旅行をしたいとか、英語を使って誰かと話したいとか、そういう興味を持っている方、自分が今住んでいる世界と違った世界を見てみたい方に、おすすめの団体だと思いますね。私自身も若い方に、自分の経験を、いいところも悪いところも含めて伝えたい、っていう気持ちを強く持っていますしね。

高橋 日本にいながら、いろんな世界が体験できる、経験できるというか。まずは、それを足掛かりにして、海外へ行ったり世界を駆け回ったり。そうするとまた、違う世界が見えるんじゃないかと。でも、実際には、若い世代の方は忙しいし、興味も多種多様でメディアもたくさんあるから、私たちと一緒に活動できる人というのは、どれくらいいるんだろうと考えながらいますけれどね。

池本 現役時代は、とかく職場中心の人間関係になりがちですから、自分と違った経験を持った方々、違った考え方を持った方々と交流すると、日本人同士でも新たな発見が多いものです。それに加えて、若い世代の方々と話ができるチャンスが多くあるのは、私たちにとっては嬉しいことです。


次の世代にバトンタッチする鍵は
国際交流ボランティア団体のネットワークづくりだと思います

池本 1985年のつくば万博が契機となって、以降、県内の民間のボランティア団体は増え続けてきたわけですけれど、今、多くの団体が若い世代へのバトンタッチに苦労されているように思いますね。活動を続けていきたいと思う反面、個々の団体の力には限りがありますし、得手不得手もあります。

高橋 そういう意味では、私たちの会は、英語圏がスタートだったので、得意分野は英語なんですよね。コロナ禍で、「Face to Face」の活動が縮小して、英語圏以外の外国人の方との交流ができていないので、他の団体とコラボできればいいなと思っています。

池本 それぞれの得意なところを相互に取り入れて、共同で事業を進めていくという連携がもっともっと広がれば、効率化も図れますし、団体の活動の幅も広がってくるのではないかと思うんです。ネットワークを作って連携すること、活動を継続していくことが、次の世代にバトンタッチできるまでの、一つのカギになるのではと考えています。MUICSでは、一緒に活動してくれる団体を求めていますので、ぜひ、気軽に声をかけていただけますようお願いします。

■お問合せは、電話、メール、またはホームページ、Facebookからどうぞ。
・会長)  高橋 雅徳 090-4708-3315 mark1020taka@gmail.com
・事務局) 池本 和一 090-2330-7839 k-dieu80622@nifty.com
・ホームページはこちら
・Facebookはこちら

インタビューの間、おふたりとも「外国人」ではなく、必ず「外国人の方」「外国にルーツを持つ方」と仰っていたことが印象的でした。海外経験が豊富なおふたりの活動への向き合い方から多くのことを学んだひと時でした。

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