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インタビュー ~外国人から見た日本、水戸~ <ウガンダ共和国>

カトゥンバ ロバート(ウガンダ共和国・首都カンパラ出身)

プロフィール

1996年来日。 自動車リサイクルの会社経営

日本人の奥様と二人のお子さんとの4人家族。大洗在住。

   

国旗:中央は国鳥であるカンムヅル,黒はアフリカ人を,黄色はアフリカの夜明けに輝く太陽の光を,赤は民族の融和と同胞愛を表す。


*来日のきっかけを教えてください

私は大学卒業後,カンパラで旅行代理店に勤務していましたが1995年にJATA*主催のセミナーが東京で開催され,マネージメントの勉強のため,初来日しました。10日間の滞在でしたが,その時知り合った日本人が「君はまだ若いし,これから何でもできるから,日本で車の仕事をしてみませんか。」と誘ってくれました。

ウガンダでは,日本の中古車はとても人気があり,カンパラ市内でもたくさん走っていたので,私はその日本人の誘いに興味を持ちました。翌年の1996年に,預金を下ろして,その時知り合った日本人を頼って,再来日しました。

*JATA:Japan Association of Travel Agents(一般社団法人日本旅行業協会

*ウガンダで日本の中古車が人気なんですね!

はい。日本の車は性能がいいし,中古車でもまだまだ走れます。また,車体に書かれた日本語がかっこいいので,ウガンダでは,ほとんど文字を消さずにそのまま乗っています。

*来日しての印象はいかがでしたか

日本はあらゆる技術のレベルが高い国なので,どこに行っても高層ビルが立ち並んでいると思っていました。でも,実際は狭い道路もあれば,小さな家もあり,イメージとは違っていました。

言葉の面では,「日本語ができなくても,英語で何とかなるだろう」と思っていたのですが,英語が通じなくて最初は困りました。

日本の良いところは,社会のシステムがしっかりしていて,生活がし易く,文化も守られていることだと思いました。

来日して16年になりますが,2週間だけ,ウガンダに帰ったことがあります。街にはゴミがたくさん落ちているし,水や食べ物の衛生管理も気になって,早く日本に帰りたいと思いました。(笑)

*そうですか(笑)。日本での仕事はいかがですか

最初は知り合いの日本人が協力してくれて,中古車をウガンダに輸出販売する仕事を始めたのですが,何年かすると,日本の経済状況が変わり,日本人が新車をあまり買わなくなったこと等もあり,中古車を輸出するのが難しくなってきました。

*現在は大洗にお住まいですが,いつから大洗に来ましたか

友だちが「大洗はウガンダ人もたくさんいるし,茨城の人は優しくて話しやすいよ。」と教えてくれたので,2001年に大洗に来ました。

その頃の大洗はナイジェリア人やウガンダ人*が数百人もいて,大半が水産会社や魚屋で働く人もいました。私は相変わらず,車の仕事を続けていましたが,2002年からは,中古車のリサイクルと解体の仕事も始めました。

*現在の大洗はナイジェリア人やウガンダ人に変わり,インドネシア人と中国人が多く働いています。

*奥様と結婚なさったのは大洗に来てからですか

はい。大洗に来て良かったです(笑)。知り合った時,妻はとても若かったし,外国人との結婚なので,義理の父が初めは反対していました。でも,会ってよく話をしたら「少しずつ,頑張って行こう。」と認めてくれたので,とても嬉しかったです。

*それは良かったですね。ロバートさんには二人のお子さんがいらっしゃいますが,ウガンダと日本の子育てについての違いはありますか

日本では,核家族化が進み,子育ては大変だと感じています。

ウガンダでは,子どもたちを,地域の人たちで育てるという風土があります。子どもが2キロ先まで遊びに行ってしまっても「~さんの何番目の息子が,あそこでこんなことをしていたよ」と教えてくれます。それに,おじいさんやおばあさんも一緒に暮らしているので,仕事が忙しい時でも,家族の誰かが見ていてくれます。

大家族なので決まり事もあって,男子は12歳から台所に入ってはいけないと昔から言われています。

*それはどうしてですか。

昔,洋服は高価なものとしてなかなか買えなかったので,女性は胸と腰に最小限の布しか身に着けていませんでした。台所も現在のようなキッチンではなく,女性たちは地べたで煮炊きをするため,男子は12歳になったら台所に入ってはいけないという決まりができたのですね。

*なるほど,それもウガンダの文化ですね。

私の場合,7歳から18歳まで全寮制の学校でしたので,3か月毎の2週間の休みに,田舎のおばあちゃんの家に遊びに行くのがとても楽しみでした。

大学は,その頃ウガンダで新しくできたカトリックの大学に入りましたが,海外の大学に留学した人は,殆ど留学先で就職していますね。

*将来の夢やこれからの抱負などについて聞かせてください。

仕事が順調であること以外に,妻と子どもたちとこれからも普通に,幸せに暮らせることが一番だと思っています。

日本は国際化が進み,私たちのような国際結婚が多くなっています。その子どもたちが,学校生活の中で他の生徒たちと仲良くやっていけるか,子どもはもちろんですが,親にとっても心配なことです。

昨年,茨城大学の公開講座「多文化共生の地域づくり」に参加した時に,アフリカに興味のある仲間たちと一緒に「茨城アフリカの会」を立ち上げ,活動を始めています。自国の文化を紹介することで,地域の子どもたちも含め,皆さんに少しずつでも,アフリカについて理解してもらえたらと願っています。

*「茨城アフリカの会」の活動を応援しています。では,ウガンダに旅行する時のお勧めを教えてください

赤道直下の国ウガンダは,1年を通して気温25℃位で過ごしやすく快適です。

ウガンダはマウンテンゴリラが有名で,世界でおよそ700頭のうち約半数が生息していると言われています。ブウィンディ国立公園で自然体のマウンテンゴリラを見るのもお勧めです。

クウィーンエリザベス国立公園は,湖にサバンナ・熱帯雨林と変化に富んだ風景が楽しめます。アフリカ最大のビクトリア湖も見どころ満載です。

*今日はありがとうございました。 

水戸市国際交流センターにて 2012年6月26日

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