ニュース&トピック

インタビュー 外国人から見た日本、水戸 <コスタリカ>

メナ・アラヤ・アーロン・エリー(コスタリカ)

    

2008年4月に来日。現在、茨城大学大学院2年生

趣味:サッカー、作詩(第6回〔2008年〕留学生文学大賞受賞)


*日本の大学に留学したきっかけは。

私は高校生の頃、アニメオタクでした。コスタリカでは国独自の「アニメ番組」というものがなく、アメリカと日本のものが主流です。私は幼稚園生の頃から、母や姉がテレビで「アルプスの少女ハイジ」や「母をたずねて三千里」を楽しんでいる姿を見ていましたし、父が「鉄腕アトム」好きだったことなども大きく影響しているのだと思います。

アニメを通して日本語に興味を持ち、日本語を習いたいと思いましたが、近くに日本語を教えてくれる所もないので、大学生になってからも独学で勉強を続けていました。

将来は日本かアメリカに留学したいと思っていた頃、日本大使館主催の「日本週間」という文化紹介の催しに参加しました。そこで、大使館の方から「文部科学省国費奨学金(大使館推薦)」の話をいただいたのです。それが日本に来るきっかけになりました。とても嬉しかったですね。

*そうでしたか。では、茨城大学を選んだのはどうしてですか。

私は、コスタリカの大学を卒業してから少しの間、国立教育研究所で短編アニメを作ったり、ビデオ撮影などの仕事をしていました。

教育メディアに興味があった私は、茨城大学に、NHK出身で教育番組の制作経験を持つ教授が在籍していることを知り、ぜひその教授のもとで学びたいという思いから、同大学への留学を決めました。

*来日して驚いたことや感じたことをお聞かせください。

日本に初めて来た外国人は、誰でも驚くと思いますが、どのお店に行っても、「いらっしゃいませ」と、店員さんが優しく丁寧に接してくれますね。感じが良くてびっくりしました。

他に感じたことは、交通機関がとても発達していることです。高速バスの料金が片道2時間で300~400円のコスタリカと比べると、日本は高いと感じる反面、旅行したい時にはインターネットで調べれば、どこにでも簡単に行けることはとても便利だと思いました。今までに、北海道や沖縄をはじめ日本国内をいろいろ旅行しましたが、特に京都や大阪など関西がとても気に入りました。

*コスタリカの大学と日本の大学の違いは。

システムが違うということもありますが、日本に比べて、コスタリカでは大学に入る学生の割合が少ないと思います。国立大学の授業料は無料ですが、成績が良くないと入れませんし、私立大学は授業料がとても高いので大変です。

授業時間は1科目が4時間でとても長いのですが、前半は講義、後半はディスカッションという構成です。日によって、朝の8時から夜の9時まで授業があるので、日本の大学生のようにサークルを楽しんだり、バイトをすることもできません。色々な意味で厳しい雰囲気です。

*今日のインタビューには、インターンシップの高校生お二人にも参加していただいていますが、コスタリカの高校生は制服がありますか。

制服はあります。一年を通して暖かいこともあり、紺色の半袖ブラウスに、女子はパンツかスカートを選べます。スカート丈は長めで、あまりおしゃれではないせいか、パンツの女子高生が多いようです。 私は日本の高校生のスカート丈がとても短いのでびっくりしました。

*水戸のここが素晴しいと思うことはありますか。

水戸は住みやすくて、静かないい街だと思います。市内には千波湖もあるし、偕楽園もとてもきれいですね。大洗も近いから魚も美味しいですし、水戸は好きです。

*ありがとうございます。では、コスタリカの素晴しいところを教えてください。

コスタリカは山脈が多く、1500~2000メートル位のところでは、一年中春のような気候です。気温が18~20℃で、あまり雨も降りませんから住みやすく、自然がとても素晴しいです。国立公園の近くにある山の中のホテルは、観光客にとても人気なんですよ。

*ぜひ行ってみたいですね。コスタリカの料理はどんなものですか?また、日本食と比べていかがですか?

私は港町の出身で、子供の頃から生の魚やタコなどを食べていましたから、日本食はほとんど問題なく食べられます。むしろ何でも美味しく感じます。

コスタリカの家庭料理で、「ガジョ・ピント」という伝統的な料理があります。「赤い鶏」という意味な

のですが、なぜか鶏肉は入っていません(笑)。米に黒い豆を入れて炊き、日本の赤飯に似ています。朝食に卵料理とサワークリームを添えてよく食べています。

白いご飯もよく食べますし、バナナは毎日のように家庭料理に出てきます。日本で食べているバナナと少し違いますが、フライにしておかずにしたり、つぶしてチーズと混ぜて、餃子のように包んだデザートは、午後3時のコーヒータイムに食べます。パパイヤを細かく刻んでひき肉やスパイスを入れて作る料理もあります。温暖な気候のため果物が豊富で、サイズも日本に比べると大きめです。

*将来の夢をお聞かせください。

3月に帰国したら、コスタリカ大学に講師として就職しますが、「コスタリカにおける学校放送制度の確立」をテーマに研究も進めていく予定です。

将来、教授になってテレビの教育番組を作りたいというのが私の夢です。

*素晴らしい将来の夢ですね。頑張ってください! 今日はありがとうございました。

(水戸市国際交流センターにて 2011.2.10)

« 一覧へ戻る

ページトップへ