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インタビュー 外国人から見た日本、水戸 <ウクライナ>

マリナ ネケロワ(ウクライナ)

ウクライナのキエフ出身

茨城大学人文学科の留学生(2009年10月来日)


*日本の大学に留学されたきっかけは。

私はウクライナの大学で、日本語を専攻していました。日本語はウクライナの言葉とは全く違い、ひらがな、カタカナ、漢字があり、文法も面白いので興味を持ちました。3年間大学で勉強しているうちに、日本に留学して日本語をもっと勉強したいと思い日本に留学しました。

*日本に来てからの印象はいかがでしたか。

来日して一番感じたことは、日本人はとても親切だということでした。他人への思いやりがあり、周りの人に迷惑をかけないように気を使ったり、優しいですね。すぐに「すみません」とあやまるのも印象的でした。

その他ウクライナに比べると、公共交通がとても便利で、しかもスケジュール通りに電車などが運行しているので驚きました。

*日本の食べ物はウクライナと比べていかがですか。

ウクライナ料理はロシア料理に似ていて、ボルシチ(煮込みスープ)・ピロシキ(惣菜パン)・ヴァレーヌィク(水餃子)などが代表的で、主食はパンです。

日本の食べ物は美味しいのでほとんど食べられます。日本料理で一番好きな食べ物はお寿司です。以前ウクライナでは生の魚を食べる人はあまりいませんでしたが、最近食べる人が増え寿司屋が増えています。でも日本の寿司のように新鮮ではないので、私は日本の寿司がとても美味しく感じました。

それから日本は麺の種類が多いですね。私は蕎麦が好きですが、最初はなかなか上手に食べられませんでした。日本に来たばかりの頃は、食事のマナーがむずかしいと思いました。

*日本のファッションについてはどう思いますか。

日本人の服装はおしゃれだと思います。初めは少し派手な感じがしてちょっとびっくりしましたが、重ね着をしたり、工夫していて面白いと思いました。

キエフの女性もおしゃれで、体型が細く見えるような洋服が多いです。民族衣装は白いシャツに赤や黒などで刺繍したものですが、日本の着物より簡単に着られるため、祭りのような特別な機会に着る人もいるし、普段の生活でも着たいときに気軽に着ています。

*キエフはどんな街ですか。

キエフはウクライナの首都で、東京ほど大都会ではありませんが、大きい街で緑がたくさんあり、歴史的な建物も多く、世界遺産が2つあります。聖ソフィア大聖堂とキエフ・ペチュールシク大修道院です。宗教はほとんどがキリスト教徒ですので、教会がたくさんあります。

最近ウクライナでは、日本文化に興味がある人が増えてきて、今では日本語の勉強をしている人が多くなりました。

*日本とウクライナの大学生では、何か違うことはありましたか。

違う点はたくさんあると思います。まず日本の学生は、授業中寝ている人が多くて驚きました。もしウクライナの大学で寝てる人がいたら、先生に「つまらないなら出て行って」と言われてしまいます。

また、ウクライナの大学や高校では昼休みの時間を特別に設けてはいないので、各自が授業の合間に食べます。日本の昼休みが1時間もあって「長すぎる」と思いました。

*そうですか。大学で友達はできましたか。

ウクライナの大学は、いつも同じクラスで学生が勉強をしますから、すぐに友達になれますが、日本では学生が授業を選んで、それぞれ別の教室に移動をするので、顔なじみが少なく、サークルにでもはいらないと友達は出来にくいと思いました。私はユネスコのサークルに入ったので友達ができました。

友達との会話で感じたことは、ウクライナの学生は政治や経済についての話題が多いのですが、日本の学生は総理大臣が変わったときでも、あまり議論していなかったのでとてもびっくりしました。家族の間でも政治の話をよくします。でもほとんど愚痴が多いですけどね。

*ウクライナの就職活動はどうですか。

ウクライナの大学では、学生は勉強に専念するために、就職活動はほとんど卒業後に行います。そして自分の専攻した分野で面接試験を受けて就職します。日本の学生の場合、専攻した分野の就職がむずかしいようで、せっかく勉強しても意味がないように感じました。

*日本に来て嬉しかったことはありますか。

日本人は私によく話しかけてくれるので嬉しかったです。

「どこの国ですか」「いつ来ましたか」「すしは食べられますか」とか。

日本では本当にいい思い出ばかりできました。

*水戸でお気に入りの場所はどこですか

偕楽園が好きです。特に好文亭の昔ながらの雰囲気が素敵ですね。何年も昔のままの姿を維持していると聞き、すごいと思いました。

また、芸術館のタワーは眺めがとてもよく、いいですね。

*将来の夢は何ですか。

日本語を使った仕事で、通訳などの仕事に就けたらいいと思っています。

*マリナさんはまもなく帰国する予定ですが、どうぞまた日本にいらしてください。

今日はありがとうございました。

2010.8.25 水戸市国際交流センターにて

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