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インタビュー 外国人から見た日本、水戸 <ガーナ>

パーコフィ エイキンス〔ガーナ〕

日本在住15年。那珂市に在住。英会話の講師。

特技はアフリカンドラム・ダンス

日本人の奥様と3人のお子様の5人家族


*来日のきっかけはなんですか。

私は今までに17カ国を旅しましたが、タイの旅行中に知り合った二人の日本人から「日本はすごく良いところだから是非遊びに来て」と何度も誘われたので、1994年に来日しました。

*日本の印象はどうでしたか。

私は、それまで日本についてまったく知らなかったので、来日前にアジアの国の人に「日本はどんな国なの」と聞いてみると、「日本人は魚を生で食べるし、他の食べ物もあまりおいしくないよ」というので心配になりました。でも、実際に日本に来てみたら、魚の食べ方は刺身だけでなく焼いたり煮たりするし、その他にも美味しいものがたくさんあると知って安心しました。

来日したばかりの頃は、海苔や味噌汁などはなかなか食べられませんでしたが、今では健康に良いと知って食べるようになりました。納豆も健康食だと分かっているのですが、まだやっぱり食べられないですね。

*日本に来て驚いたことはありますか。

日本人に道を聞こうかと声をかけると、何も答えず逃げて行ってしまうのでびっくりしました。他の国で道を尋ねると、分からなければ「分からない」と答えてくれるのに、日本人は知らないふりをする人が多いのかなと思いました。

*多くの日本人は英語が分からずに逃げてしまったのかもしれませんね。パーコフィさんは日本人の奥様と、どちらで知り合いましたか。

妻とは東京で知り合いました。彼女は薬剤師をしていて、漢方薬の勉強をしたいと考えていました。中国の漢方薬も有名だけど、彼女はガーナの漢方薬にとても興味を持ったので一緒にガーナへ帰国しました。

*その後、奥様と結婚することになったのですね。

はい。私は彼女がガーナに滞在中、色々な場所を案内したのですが、とても気が合い楽しかったんです。ガーナでは、結婚相手がどこの国の人かということは関係なく、「どうして彼女を選んだのか」が大事で、納得のいく説明ができれば許してもらえます。しかし、日本ではいまだに多くの日本人が外国人との結婚に抵抗を感じていて、私たちの場合も「日本人とアフリカ人」の結婚はとても難しいのではないかと思いました。でも、私は結婚に大切な事は、二人の「LOVE」と「UNDERSTANDING」(愛と理解)だと思っていたので、日本の両親も理解してくれるだろうと信じていました。

*アフリカと日本の異文化を乗り越えて結婚したのですね。

そうですね。日本人は思っていることをストレートに言わないこともあるし、意思表示をあまりしないので理解できないときもありますが、私はなるべく日本の文化を理解するように心がけています。

*パーコフィさんはアフリカンダンスやドラムがとてもお上手ですね。小さい頃から踊っていましたか。

ガーナでは、家族の中でおばあさんが一番偉くて神様のような存在ですから、おばあさんが踊りだせば誰もが踊らなければなりません。夕飯が終わると、おばあさんから昔話を聞いたり踊ったりします。ガーナ人はオープンですから、思ったことを何でも体で表現します。例えば子どもが学校から帰ってきたら、「よく頑張って勉強してきた」と皆で喜びのダンスをします。私も小さいときから踊っていましたよ。

ある時こんなことがありました。日本人の友だちを私の田舎に連れて行ったとき、出迎えた人たちが「よく来た」と踊りだしたので、友だちはとてもびっくりしていました。

*その歓迎ぶりは嬉しいですね。ガーナでは、ダンスは生活の一部になっているんですね。

ガーナでは、誕生日祝いでもよく踊ります。日本と違って一年に一度ではなく、生まれた曜日でお祝いをするのです。私の名前の「パーコフィ」というのは「金曜日生まれの男の子」という意味ですが、生まれた曜日は名前に付けるほど重要なんです。毎週金曜日は私の誕生日ですし、もちろん私の子どもたちの誕生日も生まれた曜日ごとにお祝いしていますから、私の家族は毎日ダンスしています。

*日本人は恥ずかしがって人前ではあまり踊りませんが、なんだか楽しそうですね。子育てについては、ガーナと日本では違いますか。

日本は、まず学校や勉強、次に家のことという考えが多いように感じます。ガーナでは学校も家のことも両方同じように大事で、勉強がいくら出来ても、料理の出来ない女の子や、力仕事がだめな男の子は一人前とはいえないんです。ですから、ガーナの子どもたちは学校から帰ると、まずおじいさんやおばあさんにお手伝いがあるかどうか聞いて手伝います。私の子供たちも、家族が忙しそうだったら手伝ってくれます。

*なるほど良いことですね。それでは、最後にパーコフィさんの将来の夢をお聞かせください。

私は、以前に新宿の国際交流会館でアフリカンドラムの演奏をしたことがありました。その時にたくさんの日本人に喜んでもらえて、私もとても嬉しかったです。ドラムの種類もいろいろあるし、リズムによってダンスも違ったりします。アフリカンドラムやダンスを通して、日本人にもっとアフリカのことを伝えていけたらいいなと思っています。

また、将来私の子どもたちに私の生まれたガーナの国を見せたいですね。

*そうですか。パーコフィさんの夢が叶いますように。今日はありがとうございました。

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