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インタビュー 外国人から見た日本、水戸 <ベトナム>

佐藤 アン さん(ベトナム)

ベトナムの大学を卒業後、2004年4月来日。

日本語学校・短期大学卒業後、日本企業に勤務。現在水戸市に在住。


*来日のきっかけを教えてください。

私が高校生の頃に、兄がすでに日本に住んでいたので、私も日本に興味を持ち、日本語を勉強したいと思い来日しました。

*来日して、日本の印象はいかがでしたか。

1998年に家族旅行で初めて日本に来たとき、11月ということもあり、一年中暑いベトナムから来た私たちには、とても寒く感じました。

その後、日本語学校入学のために来日したときは、ちょうど良い季節で桜が満開でした。特に千波湖周辺の桜は見事で、今でも千波湖を散歩すると、そのときの事を思い出します。

*日本人も、毎年、満開の桜を見ると感激しますね。

その他に感じたことはありますか。

来日して、兄の家から日本語学校に通っていましたが、兄嫁が日本人でしたから、毎日の生活の中で、日本の習慣をいろいろ教わることができました。その中で食事のマナーについて、いくつか驚いたことがあります。「食卓に料理を並べるときは味噌汁は右に、ご飯は左に置く。」 「食卓に肘を付いて食べてはいけない。」 「ご飯に味噌汁をかけて食べるのはお行儀が悪い。」 などです。

ベトナムではご飯にスープをかけて食べるのは普通のことですし、食器を置く場所も決まっていません。それから、日本ではおかずを一人ずつに盛り付けますが、ベトナムでは小分けにしないで、皆で食べます。

*そうですか。国によって食文化も違いますね。ところでベトナムの民族衣装といえば魅力的なアオザイですが、どのようなときに着ますか。

アオザイは、結婚式やパーティーなどの正式なときに着ます。また女子高生の制服は白いアオザイなんです。アオザイは簡単に着られますが、日本の着物はそうはいきませんね。私は昨年、着物の着付けを習いましたが、着るのに時間がかかり大変だと思いました。でも、日本の着物はとても好きです。

*今では、着付けができる日本人は少ないのに、よく覚えましたね。白いアオザイの制服も清純な感じでいいですね。日本の学生服はどう思いますか。

初めて日本の生徒を見たときに、男子のズボンは今にも落ちそうだし、女子のスカートは「あんなに!?」というくらい短くてびっくりしました〔笑〕。その上、高校生なのに化粧をしているし、何もかも驚きました。

*日本人についてどう思いますか。

日本人は話しやすくて親切だと思います。空港の対応でもよく分かりますが、私が初めて成田空港に到着したとき、空港で働く人たちの優しい笑顔が印象的でした。     ベトナムでは、空港もそうですが、日本に比べて公務員など威張っている人が多いような気がします。

*そうですか。ではアンさんが日本の企業で働いていたときの話を聞かせてください。

私は短期大学を卒業後、東京で日本企業に就職しました。新入社員130人中、外国人は9人で、外国人も日本人と同じ研修を受けました。研修後に配属された部署では、外国人は私だけでしたから、言葉の面で苦労しました。それから働いているときに感じたのは、日本人は規則を守ることを優先しがちだということです。現場で私が「こうしたらもっと良くなる」と提案しても、「これは会社の規則だから」と断られることもありました。

*なるほど。現在は水戸にお住まいですが、東京と比べて何か違いましたか。

東京には一年間だけ住んでいましたが、皆忙しそうにしていて話しかけづらいし、孤独な感じがしましたね。それに比べて水戸は、都会でも田舎でもなく、自然もあり、人も話しやすくとても住み良い町だと思います。

*それは嬉しいですね。アンさんは日本人と結婚をされていますが、親戚との付き合い方はベトナムと比べてどうですか

よく日本人から「何年も会ってない従兄弟がいる」と聞くことがあり驚きます。ベトナムの方が、親戚との付き合い方がより親密かなと思います。正月にはもちろんですが、親の命日でも親戚が大勢集まりますし、その他にも交流があり何年も会わないということはないですね。また、子が親の面倒を見るのは当然のことですが、同居していなくても経済的な援助をするのが普通です。日本のような年金制度がないことも影響しているのだと思います。

*では最後に、ここ水戸市国際交流センターはアンさんにとってどんな存在ですか。

センターにくれば何か情報収集ができるし、イベントを通して、いろいろな国の人とコミュニケーションが取れるのも楽しみですね。そのほかに、外国人のための日本語教室やスキー教室などもあるので本当に助かります。

*今日はいろいろなお話をありがとうございました。

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