クー ブンリンさん(マレーシア)
ブンリンさんは、マレーシアの首都クアラルンプールとマラッカの間くらいにあるポート・ディクソンという街の出身で2007年7月来日。マレーシアでは小学校の教員をしていたとのことです。特技は料理(マレー料理、中国料理、インド料理)。
“同じ場所でも風景や咲く花が変わる日本の四季が好きです。”
(クー ブンリン)
*ブンリンさんの来日のきっかけはなんですか。
私の主人は11年前に日本の大学に留学しまして、その後日本で就職しています。主人とは高校生のときにマレーシアで知り合い、その後マレーシアと日本との遠距離恋愛でしたが、 2年前に結婚して私も来日することになりました。
私は中学生の頃から日本に興味があり、日本のテレビドラマを時々見ていました。バレーボールのスポーツものや学園ドラマとか・・・。高校の時は日本食レストランに友達と食べに行ったりしていました。
*そうでしたか。では実際に来日して、驚いたことなどはありますか。
初めて日本に来て、主人と北海道に旅行した時に温泉に行ったんですが、そこでびっくりしてしまいました。みんな裸!(笑)。マレーシアにも温泉はありますが、水着を着て入りますから。結局そのときは温泉には入りませんでした。今も裸で入るのはちょっと・・・。
それから、スーパーにエプロン姿で買い物に来る女性を見て驚きました。マレーシアではエプロンは家にいる時だけだったので。日本に来て、あれっ?と思いました。
*街中でも時々エプロン姿の人がいますね。それでは、日本人とマレーシア人、ここが違うなと感じたことありますか。
あります。マレーシア人は、例えば、何か“いらない”と思えば、はっきりと「いらない。」と言います。遠まわしな言い方はしません。でも日本人は、まずいろいろな理由をつけますよね。理由がいっぱい(笑)。いっぱい出てきた理由から本心を推測しないとわからない。はっきりと「いらない」とは言いませんね。
*外国人にとって日本人の真意を読み取るのは大変なのでしょうか。
そうですね。そういう日本的な意思の伝え方に慣れるのには時間がかかりました。今でも難しいと感じます。でも日本で過ごすうちに別の面も見えてきました。
*別の面?
直接はっきりと言わない、日本人のそういう部分は、他人へのやさしさや思いやりの裏返しだと思います。何と表現すればいいんでしょうね・・・。そう、日本人の“やわらかさ”を感じます。別の見方をすれば、日本人の良い面であるとも思います。
*ブンリンさんは来日するまでは学校の先生をなさっていたそうですが、教育の面での違いはありますか。
日本に来てから子供たちに英語を教えたことがありますが、書くことよりも会話を重視していると感じました。
*水戸市でも幼稚園や小学校から英語の教育を行っていますが、子供たちには、まず「遊び」や「英会話」から入り、英語に親しみ、実際に使うことに重点を置いていると思います。
マレーシアでは「書くこと」を重視していますから、幼稚園から英語の勉強を始めて、小学生になるとだいぶ英語ができるようになりますね。語学は書くことによってしっかりと覚えていくものだと思います。
*来日して良かったことや嬉しかったことはありますか。
日本の季節です! 日本には四季がありいいと思いました。春夏秋冬の風景もさまざまで、特に四季折々の花がとても綺麗なので感激しました。
*マレーシアの常緑の風景もとても美しいですよね。
1週間とか10日だけとか短い期間だけ滞在する旅行者にとってはすごく新鮮だと思います(笑)。でも、私たちマレーシア人にとっては一年中同じ(笑)。いつも暑いから同じ花ばかりでつまらないですね。同じ場所でも季節によって風景や咲く花が変わる日本は素敵だと思います。
*日本の食べ物はどうですか?
日本の食べ物は好きですよ。寿司、ラーメン、天ぷらが好きです。
それからこの前、納豆大会に出ました。わらで包まれた納豆が大粒だったのでたくさんは食べられませんでしたけど、とても楽しかったです。
*では最後に水戸でお気に入りの場所があったら教えてください。
偕楽園の梅まつりに行きましたが、梅の花が満開で素敵でした。それに公園に屋台が出ていてめずらしくてよかったです。みんなが公園で食べたり飲んだりしているのはすごく楽しい雰囲気で大好きです。そういうのはマレーシアにはないですからね。
あとは千波湖もきれいでいいですね。散歩コースもあり、白鳥や黒鳥もいるし、とても好きです。
*今日はお暑い中ありがとうございました。
(2009年7月 水戸市国際交流センターにて)