黄 磊（コウ ライ）さん（中国東北部出身）
水戸市在住、茨城大学生
国旗：赤色は革命を、黄色は光明を表す。また、大きな星は中国共産党、4つの小さな星は
中国人民（労働者・農民・小資産階級・愛国的資本家の4つの階級）を表す。
＊いつ来日しましたか？また、そのきっかけを教えてください
2004年3月に来日しました。高校卒業後、中国を客観的に見るためにも、一度外に出ようと思い、小さい時からアニメや電化製品で親しんでいた日本に留学することにしました。それまで日本語を勉強したことはなかったので、まずは横浜にある日本語学校で2年程日本語を学びました。その後、専門学校を経て、現在通っている茨城大学に入学しました。
＊日本の印象を教えてください
初めて日本に来た日、飛行機から降りて、まず町がとてもきれいだなと思いました。また、日本人は大きい声を出したりせず、穏やかで礼儀正しいと思いました。その一方で、日本人のあいまいな態度が理解できなくて困る時もあります。例えば、日本人の友達と「一緒に遊びましょう」となって「では、いつにしましょうか？」と聞くと、「それはまた今度決めましょう」と言われたりします。それが私には責任を持たない言い方に聞こえます。また中国人は、出された食事の味が薄い時は「味が薄い」などと、はっきりと意見を言いますが、日本人は何でも「おいしい」と言って食べるので、本当かどうか分からない時があります。中国人は自分の意見を主張したい気持ちが強いので、声が大きいのかもしれません。中国人同士で話していると、日本人にはけんかをしているように聞こえるようです。(笑)
＊何か驚いたことはありますか
日本で驚いたことは、生活のスピードが速すぎるということです。横浜にいた時は、日本人はエスカレーターを駆け上がるなど、いつも忙しそうにしている印象でした。日本人はがんばりやさんだと思います。中国人はもっとゆっくりと生活していますね。水戸での生活は、大都市の生活よりものんびりしていて好きです。不便もなく、人も優しいので、水戸の方が自分には合っていると感じます。3月で大学を卒業しますが、その後もしばらくは水戸にいるつもりです。
＊昨年の東日本大震災の体験をお聞かせください
アルバイトに行く途中の車の中でした。揺れが徐々に大きくなって、ただ事ではないなと思いました。妻と子どものことが心配で、すぐに電話しました。とりあえず無事だったので安心しましたが、結局家に帰れたのは夜の10:30頃でしたので、家に帰るまでは心配で仕方がありませんでした。
＊原発についてどう思いますか
最初はそんなに気にしていませんでした。でもテレビで放射能についてさかんに報道するようになり、中国の家族も心配していたので、当時1か月だった子どもだけ、しばらくの間中国の家族に預けることにしました。でも日本で実際に生活していくうちに、心配することはないんじゃないかなと思うようになりました。今は子どもも戻り、水戸で一緒に暮らしています。
原発については、安全がしっかり確保されれば、利用しても問題ないと思います。震災の時は、予想をはるかに超える津波がきて、原発事故が起きてしまいましたが、安全さえ保障されれば、原発は効率も良いし、環境汚染もないし、雇用も生まれるので、利点が多いと思います。原発自体は悪くありません。日本の原発の多くが海の近くに建設されています。日本は地震国で、津波の危険性を知りながら原発を海岸に建てたことに問題があったと思います。
＊将来の夢を教えてください
日中友好の懸け橋になれるような仕事に就きたいと思っています。水戸に住むうちに水戸が好きになってきましたし、上海便のある茨城空港もできて、中国と茨城の関係は一層緊密になってきていますので、まずは茨城の方たちに中国のことを知ってもらいたいです。茨城には中国語を学べる学校がほとんどないので、ゆくゆくは自分で中国語学校を開きたいと思っています。
＊中国に旅行するときのおすすめを教えてください
中国は広いので、何を見たいかによると思います。中国の経済発展の様子を見たいのであれば、上海がおすすめです。高層ビルが建ち並んでいて、中国の勢いを感じることができます。中国の伝統的な文化や風景を見たいのであれば、浙江省の杭州や温州がおすすめです。自然が多く、きれいな風景を見ることができます。
＊今日はどうもありがとうございました。
2012.3.15水戸市国際交流センターにて
