ニュース&トピック

インタビュー ~外国人から見た日本、水戸~ <中華人民共和国>

水戸市には現在3,000人を超える外国人が暮らしています。国が変われば言葉も食べ物も文化も、もちろん人の考え方や物の見方も変わります。
そこで、水戸市国際交流センターを利用している外国人に日本や水戸の印象についてインタビューしました。「驚いた」「おもしろい」「不思議」「ここが変・・・」
外国人の視点から日本や水戸がどのように見えるのかを知ることによって、日本人にとっても日本や水戸の見方が変わってくるかもしれません。


髙井英花(中国遼寧省瀋陽市出身・水戸市在住12年目)
中国語・韓国語講師 中国武術茨城推進協会公認長拳普及指導員
元茨城県国際交流協会中国語相談員
※長拳とは中国武術太極拳の一種

中国の国旗は五星紅旗と呼ばれ、赤は共産主義革命、黄は光明の象徴とされています。大星は中国共産党と人民の団結、4つの小星は労働者・農民・知識階級・愛国的資本家を表しています。


*来日のきっかけとその時の印象を教えてください。

初来日は1996年で、日系企業に勤めていた時に、出張で大阪に来ました。そもそも日本語とは縁があって、中学校の授業で日本語を習い始め、大学では、一般的な日本語に加えて、科学技術系統の日本語を学び、卒業後、中国の国営企業に勤めました。その後は、日系企業に再就職し、日本語の通訳・翻訳の仕事を10年経験しました。
初めての日本の印象といえば、大阪の地下鉄の駅が何階にもなって交差していることに、すごく驚きました。電車は停車位置にピタリと止まり、割り込みしない行列が印象深かったです。あとは、カタカナ語が意外と多いことに驚きました。今もますます増える一方ですが、私には日本語ではない認識があり、日本語として受け入れにくい面もあります。

*確かに日本では外来語をカタカナにして表示していることが多いかもしれませんね。それにしても、髙井さんは学生時代から日本に縁があったんですね。その後、どのような経緯で日本に長く住むようになったのですか。

日本語の教師になりたくて福井大学への留学を決意し、1999年10月に再来日しました。留学して間もなく、国際交流協会主催の留学生のためのバザーがあり、日常用品が安く買えたこともうれしかったのですが、抽選でテレビ購入券が当たり、2000円で買えたのが忘れられません。1年半の留学を経て、福井の会社に就職し、3年間働いている時に主人と出会い、結婚して以来、ずっと日本に住んでいます。

*髙井さんのご主人は日本の方でしたね。

日本での生活に憧れていたこともあったと思いますが、合縁奇縁のめぐり合わせで、国際結婚に至っています。主人の仕事の関係で2004年に水戸に来て、すぐに長女と次女の子ども2人に恵まれ、毎日楽しく暮らしています。

*在住歴も長くていらっしゃるし、様々な国際交流の活動に関わっていらっしゃいますよね。これまでにもいろいろな方と接してきたのではないかと思いますが、どのような印象をお持ちですか?

接している日本の方は、ほとんどが国際交流に関心を持つ方で、みんな優しいです。ただ、人に迷惑をかけたくない意識が強すぎかなあと思います。迷惑をかけないように気を遣うより、お互いに迷惑をかけ合って、向かい合って解決していくのが普通ではないかと思います。ルールを守ることは世界中で認められて素晴らしいことですが、守り過ぎかなあと思う時があります。それと個人情報に用心深い。人と人との交流は、個人情報の交換から始まるのではと思いますが、結構みんな知られたくないようです。

*お互いの立場を尊重しながら、直面する課題に向き合って解決方法を探っていくことが大切だということですね。髙井さんにとっての将来の夢を教えてください。

夢にとどまることか、ある程度やれることかわかりませんが、人々の心の中にある国境線をなくすことです。今の夢というか期待と言えば、いろいろあります。まずは、自分の子どもたちが、この国際家庭で生まれた意味が分かるように頑張ることです。現在、親子国際交流やジュニア武術太極拳の県央・県北地域での普及、日中文化理解促進活動を一生懸命しています。中国の素晴らしい武術太極拳文化を子どもたちに触れさせ、親子で国際交流のスポーツを楽しみながら、普及指導員として広めていきたいと考えています。
現在、自宅が料亭跡であったことを生かし、いろんな国の食文化をはじめ、中国文化や中国語等の語学が気軽に楽しめる多言語サロンなどを開講する「多文化学園」を設立準備中です。それから、水戸に居ながらにして、本場中国の擬似体験ができるホームステイのシステム(環境)を創ってみたいです。
皆さん、楽しみにしていてください。

*中国へ旅行するときのお勧めの場所はどこですか?

中国は多民族国家の上、国土も広いので、世界遺産以外にも良い所がたくさんあります。初めての方は、1週間以内での旅行がおすすめです。とにかく行ってみたいという方には、上海がおすすめです。茨城空港と上海空港の定期便が安いので、気軽に行けます。個人の経験からだと北京、西安、黄山、九寨溝、桂林です。感想は言葉では表現し切れません。自ら現地で楽しんでみてください。

*いろいろと為になるお話有難うございました。

« 一覧へ戻る

ページトップへ